民主政治のあり方について、抜き書きと考察、そして決意

もうひとこと付け加えると、イスラエルの破滅の道は民主主義の結果だ。2月の選挙で与党だった中道的なカディマが不利になり、右派のネタニヤフと極右のリーバーマンが政権をとるのは、イスラエル有権者の投票行動の結果である。イランで過激なアハマディネジャドが大統領になったのも、中東有数の民主主義国であるイランでの選挙の結果だ。

 この事態からわかることは「民主主義国どうしは戦争をしない。だからイラクを戦争で民主化するんだ」という、数年前に米国民の大多数が賛同したブッシュ・ドクトリンは、実は噴飯もののインチキだということだ。インチキ理論がマスコミを通じて真理として広められ、人々はそれを軽信して賞賛するのが、実は民主主義の最大の特性かもしれない。「民主主義万歳」である。

2009-.3.10 米軍イラク撤退の中東波乱

この話を読んでいて、頭に浮かび上がったことは、池田先生の対談集で出てきた言葉を思い起こしました。
二十一世紀への対話から引用致します。

民主主義のもつ大きな欠陥の一つは、大衆に迎合して人気をとることの上手な人物が、それだけで権力の座にのし上がる危険性があることです。その反対に、賢明な指導者であっても、宣伝が下手であれば、無視されやすいでしょう。

と、池田先生は、民主主義の問題点をあげられ、そこから民主主義と独裁制メリットクラシー(能力主義官僚主義)についてトインビー博士と対話され、池田先生は、このように締めくくります。

 理想的な政治体制は、この議会制民主主義と官吏制度がバランスを保ちながら、相互に補い合っていく体制であるのかもしれません。しかし、そうした機構上のバランスや健全な機能を支えていく大前提は、やはり一般大衆の全体的な知的・道義的水準の向上です。これこそ根本の課題というべきでしょう。
 そのうえに立って、メリットクラシーを強めていくか、デモクラシーをより強固なものにしていくかは、それぞれの国情によるといって良いでしょう。

 ここで、結論されていることは、たとえどんな政治制度であったとしても、政治システムは、バランスの取り方が大事であることを述べられるととともに、なによりも、それを支えていくためには、やはり一般大衆の全体的な知的・道義的水準の向上以外にないと述べられております。池田先生が四権分立、教育権の独立と述べられているのは、国家権力に教育が不当に左右されないための提案であると考えることができると思います。初等教育のあり方は、近年話題になった、フィンランド数学教育では、インド、高等教育まで誰もが通えるシステム作りではデンマーク、大学の質では、インド・イタリア・フランス・イギリス・アメリカが良い参考になるでしょうか。
 
 民衆は、より賢くならなければなりませんね。私も、日々勉学、教学の研鑽に励んで参ります。



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