賢者についての考察 8

愚者が口論し争う時

賢者は巧みに和合させる。


【サキャ格言集 P11 サキャ著 今枝由郎訳(岩波文庫)】

他板で、やまいぬ。氏が、引かれていた、池田先生の言葉(要約抜粋)が思い出すのです。学会系BBS炎上させた本人の暴論の材料を与えないため、出典がすべて伏せられており、具体的な書籍はわかりません。御存知の方がいらっしゃれば、コメントをいただければと思います。この御指導は、34年程前であることが、判明しております。

日本人的な“調和”について、妥協や馴れ合いや「足して2で割る」式の考え方があるが、これについてどう考えるか、との質問に対して先生は、
「調和の本質はどこにあるのでしょうか。この問題を考えるさい欠かせないのが対話の本来の在り方ということです。
本来、対話、議論とは、二つ以上の見解があって対立した場合、冷静な理性、知性にもとづく忍耐強い話し合いに
よって、より止揚されたところに解決点を求めようとするものです。
 調和は、こうした対話、議論を尽くした結果として、互いが納得できる解決策を生みだしたところに実現する
ものであるはずです。(略)いうまでもなく、その話し合いは、相手の意見を尊重せず、自分の主張を押し通そうと
していったのでは、決して“調和”にはいたりえません。(略)これまでのように、調和が、足して2で割ったり、
安易な馴れ合いに堕さないためにも、前提となるべき真の対話を成立させる条件を、日本人一人ひとりが身につけねばならぬ時期にきているように思います。」

掲示板での祭り(嵐)、ブログの炎上に見られるように、愚者は、感情による罵詈雑言を起こしがちであり、それは更なる火種を起こしエンドレス・ループになることが往々にしてあります。

相手の意見を尊重せず、自分の主張を押し通そうとしていった

心理学で言えば、非アサーティブ。
具体的には、自分の心情や考えを押さえつけたり、これは、受け身的と呼ばれるものです。
相手の意見を尊重せず、自分の主張を押し通すことは、攻撃的と呼ばれます。
アサーションについては、以前リンクを張り、ポイントを書いた通りです。


賢者は、いかなる場合であっても、皆が罪悪感に陥ることなく、皆対等に考えを述べ、一切の感情的な罵詈雑言を排し、冷静な理性、知性にもとづく忍耐強い話し合いにしていき、皆の考えを超克し、統合していく。であるから、サキャは、賢者は、口論し争う時に、巧みに和合すると記したと、考えることができます。



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