Summer,energy flow聴き込み、Schoenberg Kammer Sinfonie更に聴き込み

Summerもenergy flowも共にペンタトニックトニック・スケールでメロディをつけ、和音や対旋律を重ねて行く点は、同じ。ヨナ抜き音階も同じスケールの一種なので、非常に東洋的、和的な印象を与える。こうした曲の作り方は、西洋では20世紀になってから現れている。この2曲を比べるとSummerは、不協和音を控えめに使っていて、energy flowは、意外と使っている。そして、これは、両作曲家それぞれに違う点でもある。だから、似ていてベクトルはとても違う。

Summer

http://www.youtube.com/watch?v=axvvx4EOQmY&fmt=18

energy flow

http://www.youtube.com/watch?v=W9deYiOc7Qk&fmt=18

Schoenberg kammer Sinfonie NR.1 in der Bearbeitung von Anton Webern

http://www.youtube.com/watch?v=wueRJZs1Gao&fmt=18
この曲のエピソードは、今まで何度も触れてきた。
この曲は、この作曲家ではあまり見られないメロディ運び、和音に満ち溢れている。それは、通常CとE,EとG,などの間隔で音を重ねるのに、この曲ではCとF,FとBの間隔を基調とした音の重ね方、同じ間隔のメロディの上昇、跳躍がある。5つの短い断章をシームレスに続けて演奏する単一形式。弦楽器よりも管楽器が極端に多いことで生まれる色彩感。そしてシェーンベルク自身が公開した、管楽器が多すぎるために起こる錯綜感。そのために編成をコンパクトにしたのに台無しという。
1922年、最高の弟子、ヴェーベルンに最高でも5人までの室内楽編成で、あらためて編曲してもらった。氏主催の私的演奏協会の演奏会を想定した、くしくも氏が作曲した『ピエロ・リネージュ』と同じ編成の編曲は完成した。管楽器は減ったものの、ピアノの非常に特徴的な構造と調律による色彩感が、管楽器不足を補って、おそらくシェーンベルクも望んでいた最高の編曲であったかもしれない。