試論 感動とは?広い意味での扇情

感動する作品は何だろう。ここ数日、考えていた。
どれだけその中が論理的で構築的であっても、美しくても、感性が一切働いていない作品は、人は感動しえない。
そして感動する作品は、基本的には、扇情的なものだと思う。
人の感情を煽り立てる要素が必ずあると思っている。
本来の意味から反するかもしれないが、安らぐ作品であれば、そういった感情に導く、逆説的にいえば、安らぐ感情を誘導するという点で、ある種の煽りではないだろうか。
美学の勉強をしたことがないので、理論的には違うかもしれない。
オペラのメジャー・レパートリーの多くは、扇情大悲劇である。ヴァーグナーヴェルディは、その典型例のような人だ。マタイ受難曲だってそうだ。

音楽を使って感情をコントロールもできる。善と出るか悪と出るかはその人次第。悪く使えば、ヒトラーワーグナーの使い方といったものになるだろう。逆に絶望から希望の灯をあてることもできるはずだ。