雨降って、地固まる

昨夜は酷く体がだるかった。気が重かった。
きっかけは、早く寝れたのが唯一の幸いだったのだけど。
本来休みの中。
「○○さん出れないから、ピンチヒッターで行けない?」
勘弁してくれ。しかし、断れないのが私の性分でもある。
その後、2-3時間寝ることもできたに違いないが、昨日初めてインストールしたLiNEチャットに結局付き合い、ほとんど目をつぶることもできずに終えた。言いようのない、怠さと体の重さを抱えて。
しっかり、題目三唱して、普段勤務している店から制服を持って、その夜舞台となる店へ。
普段勤務しているメンバーには、げっそりしている姿と声を晒してしまった。
が、ユニフォームを普段の勤務先に戻した時、それ以上の悲劇が起きていることを知った。新人と二人、見事に大量の残業をこなしていたのだから。
その夜、舞台となった店ののメンバーと私は軋轢がある。そして私は嫌われている。
理由は、単純で、ミスして煽れば煽るほど、加速度的にミスをする私。最終的には、口もきいてもらえない状態で、1ヶ月耐えた。そして、いらなくなってポイっと、普段出勤している店に配属となった。失職にならずに済んだのは、先日までお世話になって経営者の意向であり、祈りであった。
今でも頭が上がらないし、ただひたすら感謝である。

仕事はスムーズだった。ただ商品の搬入時間が異なる為、幾分ペースに当初自信がなかったが、軋轢がありながらも忍耐図良く向き合ってくれた方に深く感謝と敬意を表してやまない。
ここ何日か、ずっととげのある言葉を聞かされてきた。もう疲れたと言うのが率直だ。食品の搬入にしても量が多すぎて個人的には、物を入れているだけくらいの感覚になってもいた。並べ方の基本に沿って出来ていないことにも気づいていたので、非常に後ろめたくもあった。
それゆえだと、思う。私の中の記憶は変わらないのだけど、今起きている現実に、その名残はない。あるのは、忍耐強く、やるきをたたせて、一人一人のQOLに誰よりも配慮した、かつての経営者の振る舞いだ。ここの面々とは、考え方があまりにも違いすぎる。首脳陣一名は、アンチ学会員でもあるのだし。人を物のように扱う、極端を言えば、旧日本軍の指向とも、最終的につながるような。だからかつての経営者のDNAを受け継いで、自分の行きたいところに行けばいいと、思えるようになった。もう後残りに振り回されない。
これがタイトルの雨降って、地固まるにした理由である。

出勤前に聴いていた曲は、

ゲーテが指向する健康的で力強い音楽そのものであるから。この曲を、苦闘に向き合う際のボルテージアップ曲として聴く時が来るとは思っても見なかった。この曲は、終盤、物悲しくなっていくときに、モーツァルト晩年特有の清澄さも見いだせるし、20世紀音楽に繋がる半音ほぼ使い切りも聴こえてくる。そして、元の主題が、短調で出てくる時のパッションも素晴らしい。

帰宅時、岡崎律子さんの「セレナーデ」、「いつでも微笑みを」といった曲を聴いていて、心の変化に気が付いた。
いつでも微笑みをのブレイクにおける、melocureの相方でもあったmegrockこと日向めぐみさんの悲痛にも聴こえるコーラス。
悲痛、美しさ、悲痛に秘めた力強さそのすべてを感じていた。
ある意味では、失恋でこの辺りの作品を拒絶する前に感じた世界にある意味戻っているようにも思えた。
ここまで、その美しさや、メッセージをありのままに受け止めながら、その激流に流され、心地よく聴けたのは、初めて手に取った頃已来ではないだろうか。あの頃から、もう9年が経とうとと言う、私には急激な環境の変化が、聴き方をいい意味で変えもした。
疲れているのだけど、心は不思議と元気。
気が付けば鬱症状も消えていた。とは言え、仕事中、なんども、空耳が聴こえていて、気分を害する場面はあった。お客様があまりにも来ない店内にいて、居心地が悪かったと言うのもある。
皆、同体異心の組織に寒気がする。ガセが一瞬で拡散する。異なる意見も、敵と思われかねないことをよく知るため、こちらの考えを、すべてシェアすることはできない。したら、こちらの意向を無視してクビというシナリオがあまりにも現実的。とは言え、人材は枯渇しているわけで、人に飢えているなと実感した。しかし、人件費云云、その他もろもろで潰して現状を招いたのはそちらだと言いたくなるのを抑えつつ、壁は常に存在しているが、その範囲内でいい聴き手であろうと思う。どれだけ、拒絶したくなることでも。割り切って考えようと思う。課題は山積しているのであるが、一瞬で心の負担は軽くなった。きっと、まだ私は祈られているんだろうなと思いつつ。
めげずに、今を生きたい。
ようやく、食欲も戻った。精神的には、一瞬かもしれないけれど、安定期に入ったのは確か。