ブルーノ・ヴァルターのモーツァルトに思う

1957年メトロポリタン歌劇場での魔笛、ヴィーンフィルと共演した交響曲第40,41番とレクイエム。実体がNYPNBC交響楽団メトロポリタン歌劇場管弦楽団のメンバーで構成されていたコロンビア交響楽団との交響曲第29番。LAフィルを主体としたコロンビア交響楽団と演奏した交響曲第38番「プラーク」、第39番。NYPとの交響曲第35番「ハフナー」。
乱れはあっても、歌が英語であっても、そのスケールの豊かさとすべてのパートが歌いに歌うことでは比類がない魔笛。ヴィーンフィルとの共演盤での力強さとその歌心、美音は比類がない。この美音を最も味わえると個人的にいえそうなのは、カール・ベーム最晩年のヴィーンフィルとの交響曲第41番の録音。第4楽章のみユニテル制作の映像を推してしまうのであるが、このブログの著者と故・吉田秀和氏が、モーツァルト交響曲でヴァルターを推す理由がわかる気がする。1960年代のベームのアプローチは、ジョージ・セルがその上を行く。
ヴァルターの音源で手に入れるものがるとしたら、ヴィーンフィルと共演した交響曲第38番「プラーク」、NYPとの交響曲第41番「ジュピター」の2枚で簡潔予定。