ギレリスのベートーヴェン ピアノ・ソナタに心打たれる



秋雨らしい天気が続く。心身の疲労、陽射しも少なく、気温も下がり、ジメジメという気象変化が重なった結果であろう。
不思議と体がびくびくする中で動き、悪循環になっていき。
その心境は、この2曲のアダージョに近接していたからだろうか。
ここ数日ずっと聴いていた。
解釈としては、こういったのが見られる
「人は死を・・・」ベートーヴェン《ソナタ第29番 op_106?ハンマークラヴィア》3楽章全貌 - 音楽芸術家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」
ベートーヴェンのピアノソナタ考 ベートーヴェン ハンマークラヴィーア・ソナタ 作品106 園田高弘
死のうとして神と対話をしてとどまった者のエピソード、全人類の苦悩の霊廟といったとらえ方がされているようだ。
第31番の嘆きの歌は、のだめでも綴られているが、「裏切り。意気消沈。苦悩に満ちた試練。落胆。絶望・・・・人の嘆きのすべて・・・・最後は疲れ果て、こころもない」。
そういう状態で聴いているので、不思議とシンクロしたのだろう。
Mr.ベートーヴェンと呼ばれたエミール・ギレリスの演奏が素晴らしい。

ハンマークラヴィーアのヴァインガルトナーが管弦楽編曲したものも素晴らしい。

第九よりも、晩年の弦楽四重奏曲に近接していることがわかる。また晩年の弦楽四重奏曲は、管弦楽編曲されていないという点からも注目。大フーガは試みられているのであるが、個人的にはお勧めできない。第4楽章は大フーガに通じ、第3楽章は弦楽四重奏曲第13番カヴァティーナに通ず。