スコット・ブラッドリー

初期のトムとジェリーを手掛けた作曲家で有名。
わけあって聴いていた。アニメーションと合わせて。
それは、サイモン・ラトルが、この方が作曲するとき、シェーンベルク グレの歌のスコアを携えていたこと。
また、J.ウィリアムズの師でもある、カステルヌオーヴォ=テデスコを介してシェーンベルクの影響も受け、バルトークストラヴィンスキーを尊敬していること。
その作風は、今であれば、サウンドトラック界の鬼才と呼ばれるタイプではないかと思う。クラシック・ジャズをベースに変幻自在に動きに合わせて曲想が変わっていく。とてもシンクロしているのだけど、魔笛・ルル・ヴェニスに死すにおける劇進行と音楽のシンクロ率の高さとはまた違ったものを感じる。
シェーンベルクの影響は曲想が変わり方、楽器の使い方で見え隠れする。そしてキャッチーで甘いメロディの注文に答えつつその中で平気でフーガになっていたり、追いかけられる場面でホラー音楽調になったり、そのさじ加減が素晴らしい。