ヨーゼフ・クリップス その1

音楽関連に関して、まずは、ヨーゼフ・クリップスについて綴ろうと思う。
経歴は、彼のモーツァルト作品について書く際に、詳しく書こうと思う。
先週で、簡単に経歴について書いているので、そちらを参照を。

これからヤフオクで購入した分が届くのであるが、まずはyoutubeで聴いた、
実は、チャイコフスキーはあまり好きではない。
オーケストレーション、リズムの魔術師であり、世界では随一のメロディーメーカーである。歌うアレグロと呼ばれているところは、モーツァルトに譲るかもしれないが、それ以外では比類がない。その点で争えるのは、弟子筋に当たるラフマニノフソフトバンクのCMで使われているバレエ「ロミオとジュリエット」第1幕第2場第13曲「騎士たちの踊り」(モンタギュー家とキャピュレット家)を作曲した、プロコフィエフモーツァルトの生まれ変わりとも称されたコルンゴルトくらいではないだろうか。オーケストレーションは、ベートーヴェンにホルンの人数が倍になっただけで、絢爛豪華に鳴らしていく点が素晴らしい。形式面では、ベートーヴェンの影響を受け、オーケストレーションは、ロッシーニ経由でモーツァルトから受けている。チャイコフスキー自身は、ベートーヴェンはあまり好きではなく、モーツァルトを好んでいる。最晩年のカラヤンは、サウンド作りは好きだったりする一方で、クライマックスへの持って行き方は好きになれなかった。これはステレオ録音のストコフスキーにも同じことが言える。youtubeで聴いた感想だと、ムラヴィンスキーレニングラードフィルがヴィーン楽友協会 大ホールにて1970年頃録音した演奏の方が好みに近いこともこの時に同時にわかった。ヴィーン情緒溢れる、濃厚だけど、不思議とすっきりとした甘い音色が素晴らしい。フォルティッシモでもトランペットが耳に痛くなく素晴らしい。録音ではそのコルネット風の音色が録られるのは珍しく、その点も素晴らしい。
知れば知るほどに、後数年生きていたら、またクリーヴランド管弦楽団と共演できれば、完璧なアンサンブルとあのまろやかな音色が両立したオケが味わえたのではと思えてくる。あのまろやかな色彩は、ジョージ・セルクリーヴランド管弦楽団に移植したかったものに思えてくるからだ。サンフランシスコ管弦楽団が、ヨーロッバのオーケストラの薫り高さを持っているといわれるのは、小澤征爾の前任でヨーゼフ・クリップスが常任指揮者をやった遺産でもある。この演奏は、クリップスが珍しく一聴しても優美一色にならず、クライマックスには、金管をまろやかかつ豪快に鳴らす点でも特筆される。それは、R.シュトラウスや後のハリウッド音楽に勝るとも劣らない豪華絢爛ぶりである。