響きの考古学,etc

創価学会後継者の日、おめでとうございます。

今日は、読書と音楽だけで、記事が完結します。

mimiZ メモ、感想。増補『響きの考古学』。

音律のことを考える上で、とても興味深かったので取り上げます。

ハリー・パーチの音律―拡張された純正律

5リミットのモノフォニーの音階

5リミットを構成する2,3,5という3つの素数のことを、「アイデンティティ」とよぶ。
この3つの素数による組み合わせ可能な比率は、全7種類。この音階の特徴は音程がシンメトリー(左右対称)に配列されることである。

【[増補]響きの考古学 藤枝守 平凡社ライブラリー)  以下、同】

43音音階

リミットは11まで拡大、アイデンティティ(2,3,5,7,9,11の6つ)11リミットに含まれる6つの一による比率の組み合わせから、29個の音高(音の高さ)が導き出され、オートナリティ(分母と分子とがそれぞれ同じ数値になるよう比率のを集めて並べ換えて、グループに分類。それぞれのグループにおいて、同じ数値で分母を共有する3つの音高のこと)とユ−ティリティ(基音調)の調性にあわせて12種類。
11リミットによる29個の音高を音階として並べたとき、音程が幅広くなっている箇所に、付加的なあらたな音高が挿入されて、「43音音階」が生まれた。
構造的な特徴は、10/7という比率を中心としたシンメトリーな音程の配列。
14セントから39セントまでの微少な純正音程によって構成される。

ラ・モンテ・ヤングの調律

ウェル・チューンド・ピアノの音階
ミ♭ ミ ファ ファ♯ ソ ソ♯ ラ シ♭ シ ド レ♭ レ ミ♭


今まで、平均律純正律の話は出していたものの、わかりやすいリンクをつけていませんでしたので、オススメサイトを。
純正律 - Wikipedia


43音音階を見て驚いたこととして、世界でも最も特異かつ理論的に音楽が発展したインドのラーガをも包含しえるものではと思ったことです(半音より細かい音を含めて1オクターヴ22音)。インドの音楽は、ハーモニーがないかわりに、微細なメロディーの変化とリズムの変化を楽しむものであり、音高の細かさから見て、統合できるのではと考えたわけです。それだけの話。

私が持っているバッハやベートーヴェン古楽器演奏は、当時のピッチにしているため、平均律につながる要素はなし、POPSや同人でも、平均律を使っていない作品に出会うこともあります。


今回は、そんな作品と番外編を取り上げます。


【東方紅魔郷】U.N.オーエンは彼女なのか?【原曲】


同じ方が手がけた、普通に平均律で手がけた作品を


先程上げた作品の、平均律に合わせたヴァージョン
【東方紅魔郷】U.N.オーエンは彼女なのか?【蓬莱人形ver.】
東方妖々夢原曲03-クリスタライズシルバー
ここまであげた2曲は、この作曲者の1番尖ったところがでている曲。品が無い、疲れる。毒性高くて病みつきになる人も。2年前の私がそうでした。トランペットを学校で吹いていたらしく、ニュアンスはナチュラル。ただ、非常に野暮ったく聴こえます。


より激しい疲れるにぎやかな曲もありますが、同作曲家がてがけた比較的まったりできる作品から。

Dolls in Pseudo Paradise - Legend of Hourai
【東方風神録】ネイティブフェイス【原曲】
この2曲は、野暮ったくピーキーに聴こえるシンセ・リードやトランペットがまったく流れないため、比較的心地良いです。


東海道五十三次から着想した作品まであることにビックリしました。
ヒロシゲ36号 〜 Neo Super-Express
53ミニッツの青い海 - 53 minutes of Blue Sea
青木ヶ原の伝説 - Legend of Aokigahara
最も澄みわたる空と海 - The Purest Sky and Sea
この一連の曲は他にもあるものの、この人が手がけた弾幕シューティング*1からなので、省きました。
53ミニッツの青い海 - 53 minutes of Blue Sea、冒頭の甘いピアノのフレーズが1番美しい。あとは、それまでかけた曲と似た響き。パターンはある程度決まっているので、数曲聴けばあとはいい気がします。オーディオ的に見て、中高音が尖り過ぎたり、中低音がかなり出ているわりに、重低音が結構弱めだったりして、解像度が高い環境で聴くと結構辛いのが難点。試聴環境は、AUDiO好きに贈るの通りです。


                   響きの考古学―音律の世界史からの冒険 (平凡社ライブラリー)



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*1:東方でググレばでてきます