芸術の品位は音楽においてはおそらく最も高貴に現れている。それは、音楽には取り除かれねばならないような素材がないからである。音楽は全く形式と内容だけで、その表現する一切のものを高め、気高くする。
【(「格言と反省」から) 芸術と文学について ゲーテ格言集 P103-P104 高橋健二編訳 新潮文庫】
ゲ−テは、絶対音楽主義だったのであろうか。そして、私自身、数多の作曲者自身が表題をつけなかった交響曲(ジュピターやロンドン、実は運命なども。マーラーの交響曲第8番などのように歌付きの事実上の表題がある作品もありますが)を聴いていく中で、形式と格調高き内容は、それだけで一流の音楽･芸術たらしめる。そしてその中には、一切の無駄は存在しないのです。
