ジュピター、第九、第八、の共通点について、またブリテンとベルクの共通点について

今回、綴るジュピターはモーツァルト交響曲第41番。さて、終曲については、ベートーヴェン交響曲第9番歓喜の歌、ブルックナー交響曲第8番第4楽章とは、共通点がある。
それは各々の曲の主なメロディが終楽章ですべて登場していることである。歓喜の歌では、前3楽章のメロディが否定され、歓喜の歌が調べが始まり、他の2作は、最後にそのメロディが統合され、ハ長調で終わる。
また、フガートで展開される点も共通。
ベートーヴェンブルックナーそれぞれの交響曲第9番第一楽章とモーツァルト交響曲第31番終楽章の共通点としては、再現部、コーダ(集結部)に入ってもなお、なお曲が発展されていくこと、特にベートーヴェンブルックナーそれぞれの交響曲第9番第一楽章の展開部と再現部に至っては、完全に一体化されている。
また、これらの作品すべてにおいて、徹底された反復進行があること。20世紀の前衛音楽では、常に変奏して発展していくために反復を禁じている節があった。しかし、人間の聴覚の限界を乗り越えるために、反復が復権したのは、最大の皮肉とは言えないだろうか。

20世紀イギリス最大の音楽家ベンジャミン・ブリテン、新ウィーン学派を代表する作曲家の1人である、アルバン・ベルクの共通点。
それは、本質的にとても革新的な調性音楽を指向していたと言うこと。
ベルクは、12の半音をすべて使いながら、調性を感じさせる音列を用いる。
ブリテンの場合は、ベルクの師事を受けたいと思っていたこと、そしてやはり時折無調が登場するもの、ワーグナーの調性の崩壊以降最大の調性和声の集大成者であるからだ。


Berg Violin Concerto pt 1-3 - Frederieke Saeijs

http://www.youtube.com/watch?v=LtMAz70lFX8&fmt=18

http://www.youtube.com/watch?v=ZfoACCiSAx0&fmt=18

http://www.youtube.com/watch?v=YbaPQ9956UE&fmt=18

このヴェルクのヴァイオリン協奏曲には、ヴェーベルンやそれ以降のミルトン・バビットといった音列主義者のような、鬱屈と言うよりは、ワーグナーマーラーの耽美が形を変えて提示された調べ。

そして、ブリテンの戦争レクイエムは、


http://www.youtube.com/watch?v=hhkbphH8_Ic&fmt=18
そこには、無調の世界を知り、その中で調性の中で、あらゆる問題に調性をこわさず、乗り越えた調べがここにはある。


最後に、最も優雅で、最も響き合う、モーツァルトのジュピターフィナーレから

http://www.youtube.com/watch?v=XA_1DpWeWL4&fmt=18




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