純正律の響き

Pure scaleより、響きについては好印象を持たれることが多いものの、1955年の実験によれば、音楽家は、純正律を好んだが、それは和音が長く連なるコラール風の曲の場合のみであったこと。しかし彼らは(この実験では完全に純正調に切り換えられる楽器を用いた)自動的に修正される3度によって生じるピッチの変動は好ましくないとの記述がニューグローヴ音楽大事典にありました。この調律で作曲をする倍には、転調することがないようにした方が良さそうです。延々と純正に響くワンコード、変化はただメロディとリズムだけのインドの伝統音楽に近づいて行きますね。純正律に近い調律(キルンベルガー第3法,ヴェルクマイスター第3法)で作曲された例は、J.S.バッハからリヒャルト・ワーグナーまではむしろそれがふつうでありました。よって克服することも可能ではあると、過去の例からは言えると思います。結局のところ、ニューグローヴ音楽大事典にあった最近純正律鍵盤楽器で表現できるようになったが、その可能性は音楽の解放に向かっての1段階に過ぎず、それ以上の段階は、将来その美質を発見・開拓しようとする作曲家の資質の豊かさにかかっていると言えようとの記述がそのままいえるのではないかと思います。



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