Lutosławski Sinfonie Nr.2

20世紀ポーランドを代表する作曲家、ルトスワフスキ交響曲第2番。
昨日、購入したばかりです。
この曲は、2つの部分からできています。
前半は「ためらって」、後半は「直裁に」。これは、響きの混沌と断片から体系と秩序を生み出すドラマであり、秩序を与えられた音楽は、巨大なエネルギーを放出する分厚い響きの帯から成り立っています。


曲の構成を、書くことも考えましたが、あまりにも長すぎますので、省きます。
前半と後半、それぞれ昔ながらの交響曲の形式に、現代音楽の形式の統合を試みたものであり、形式上で特筆されることは、相反するものを、結びつけたことが、素晴らしいと思います。結果として、昔ながらの交響曲の枠組みとは異なるものです。ハイドン交響曲のハイライトは、第1楽章とと第4楽章にありますが、それでは長すぎると言うことで、2部構成にしています。終盤のダイナミズムは、ベートーヴェンに通じるものです。


じっくりと聴いて見た感想は、メロディの組み立て方から、前衛音楽なのに、響きが甘美でとても美しいことです。オーケストレーションも素晴らしいです。後期印象派に似ているとのことですが、私には、あまりピンと来ません。
後半は、作曲者からの指示はあるものの、それを基にアドリブで演奏する箇所があるのですが、そこで前衛音楽特有の音痴に聴こえるところがまったくないことも、素晴らしいです。
また、アドリブから生まれる、音の変幻自在の変化が素晴らしいものでした。

ルトスワフスキは、格言を残しています。
これは、以前に、1度引いた言葉です。

部分が統一に向かって戦う

これは、第2次世界大戦と、スターリン時代の音楽の批判に耐え、民族音楽(メロディとハーモニーから)とクラシックに精通し基調としながら、前衛音楽を取り入れ、時代様式を超越したからこそ、言える言葉なのだと、私は、思うのです。


クラシックと民謡と前衛音楽を超克した、前衛的ながら美しくもダイナミックな音楽が、そこには、ありました。
私が聴いた演奏は、ルトスワフスキ御自身が指揮し、ポーランド国立放送交響楽団が演奏したものです。私が、昨日購入したCDは、下のリンクのものとは異なり、EMIのEU盤(指揮・演奏は同じ、録音時期は異なるかも知れません)
YoutubeにUPされていないことが、惜しい作品です。


ルトスワフスキ:管弦楽曲集(3枚組)(Lutoslawski:Orchestral Works)



にほんブログ村 哲学・思想ブログ 仏教へ
スカウター : 信心の王者たれ!