教科書

タイトルの意味は、ベートーヴェン交響曲第5番と同じ曲の展開をし、徹底的なメロディの主題労作があること。
そしてそれが、J.S.バッハの音楽のように、それぞれのメロディが独自性を持って重なり合い、ハーモニーを形成すること。


Sergei Taneyev (1856 - 1915) - Symphony No. 4 Op. 12, Mvt. 1 (1/2)

Sergei Taneyev (1856 - 1915) - Symphony No. 4 Op. 12, Mvt. 1 (2/2)

中間楽章は、完成度においてレーガーの方が上だと考えたので、あえて、レーガーのクラリネット五重奏曲より。

Max Reger Clarinet Quintet in A, 2 mov

Max Reger,Klarinetten-Quintett A-Dur op.146, III Largo - Live
この2曲には、がっちりした構成と、クラリネットが、不思議かつ浮遊したハーモニーの美しさを極限に極める。1915年は、第一次世界大戦真っただ中であり、レーガーが亡くなった年でもある。このアダージョは、私にとっての、3.11への哀歌でもある。


レーガー 音楽嫋々・クラシック名演奏CD&レコードこだわりの大比較。理想の感動体験への旅。より、

「第二楽章はロ短調スケルツォで、弱音の弦楽とクラリネットが、
リズムのコントラストを見せ、弱音ではないヴィオラクラリネットと対位法を奏でる。
ト長調のトリオ部では、リズムの交錯はなく、テクスチャーは単純化され、ムードはリラックスする。
スケルツォが戻ってこの楽章は終わる。」
このトリオの部分は、花園のように美しく、聞き所の一つと言えよう。

ホ長調の緩徐楽章は、よく書き込まれた中間部分を有し、第一楽章の第二主題が消え入るように回想される部分がある。


Sergei Taneyev (1856 - 1915) - Symphony No. 4 Op. 12, Mvt. 4
セルゲイ・タネ―エフの交響曲第4番の説明は、Wikipediaを。この解説は、2012年10月に書かれたばかりのようである。ロシア・ナショナル管弦楽団の指揮者・ピアニストにして、親日家でもあるプレトニョフは、タネーエフを「対位法の魔術師」と呼んでいる。ポリャンスキー指揮の演奏ではわからなかったが、メロディーの重ね方はカノンの理論家ということもあって、そのメロディーの重ね方は、モーツァルトのジュピター、フィナーレを連想させる。カノンの順次進行。そして、それが思いがけない効果や印象を与える。それが、人によっては「対位法の魔術師」と称賛される理由ではないかと思う。ブルックナーもその点では似ている。ともに、全体の長さはこの長さと決めてから、略式スコア、細部に至る全スコアといった建築家のような、作曲の進み方も同じ。番号付きの完成作の最初と最後が声楽作品も共通である。

Mozart Sinfonie NR. 41 "Jupiter" - VPO Bohm (4 de 4)