ベニスに死す、初めて見て

人生論的映画評論 ベニスに死す('71) ルキノ・ヴィスコンティ

今朝、通しで一回見た。
上記レビューが、私が見た中で最も秀逸であった。
自分の言葉で、まだ綴れないので、粗筋は、上記レビューを。この背景には、全字幕を、日本語で見ることに失敗した影響もあるのだけど。のめり込みやすい環境にするために、スピーカーは、プロ・モニターに置き換えて、一定品質を持ったピライベート・シアターか、名画座で観れればと思う。ただ、ことごとく、ニュープリント版の上演が、首都圏では。去年の8月頃で姿を消しているので、無理かなと思う。
絵画のように美しいと言うレビューを数多く見たのだけど、私も同じ感想を持った。アニメだと、その域に達しているのは、ヴェネツィアがモチーフになっているARiA、そして宮崎駿風立ちぬ」が、それぞれのフォーマットにおける、絵画の域かなと思う。
ヴィスコンティ監督は、祖国イタリアでは、映画監督としてよりも、オペラ、とくに演劇の舞台設計、演出で傑出していたという。優れた名監督は、優れた演出家である場合が多いように思う。ARiAを手掛けた佐藤順一監督は演出家であるし、ジブリ高畑勲も、演出家。宮崎駿も、高畑勲から演出の手ほどきを受け、演出でクレジットされている作品もあったりする。具体的には、ルパン三世第1期、未来少年コナン、名探偵ホームズの3作品。
映像とマーラー 交響曲第5番 アダージェットのシンクロ率の高さ、シナジー効果でも知られているが、みていて納得がいくし、感動をあおっているのだけど、押し付けがましくない印象を覚えた。押し付けがましさがないのが良いなと思う。個人的には、マーラーは、今でも8番10番以外は好きでないので、バックの音楽は、コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲 第1楽章、第2楽章の方が良いなと思ったりするのだけど、シナジー効果では、やはりこの組み合わせがベストだなと思う。
今年の秋は、モーツァルトアルバン・ベルクのオペラを映像で観ようと思う。シュレーカーもと言いたいのだけど、シュレーカーで、DVDで観られるの、R-18行っても違和感のない「烙印を押された人々」だけであるし、シュレーカーのオペラの、劇と音楽と言葉の一致を、いくらか受け継いだアルバン・ベルクだけにとどめることになると思う。