Alban Berg Opera Wozzeck 1

昔の番号制オペラの区切り方にも違和感なく収まる且つ、さながらマーラ交響曲第8番のような所作無き交響曲のプロットを、オペラにしたらこうなるといった、ワーグナーが夢見た劇と音楽の融合の究極系。もしろんその雛型には、ヴァーグナー以降で、総合芸術として捉えたシュレーカーの影響があると思う。実際、遥かなる響きのヴォーカル・スコア作成者は、アルバン・ベルクであり、交響的形式は影響を受けたとされている。また、シェーンベルクヴァーグナー以降最高のオペラ作曲家と絶賛した、シェーンベルクの師、つまりアルバン・ベルクにとっては祖師にあたる、ツェムリンスキーの影響も見いだせると思う。和声、オーケストレーションに関しては、プッチーニの影響もあるかもしれないが、それはプッチーニシェーンベルクから受けた影響なのだろう。

5楽章の交響曲を劇化した第2幕から聴いている。ハイライトは、第1幕、第3幕をあげている方が多い。マーラー交響曲第8番と比較しながら聴いているのだけど、形式的にしっかりしていることもあり、その点は安心して聴ける。
本当は、映像で観たいところであるが、はやくても来月以降になりそうである。また、ルルは見ても、予算の関係からヴォツェックは飛ばすかもしれない。
佐村河内守作品で、筆を進めるのは2月以降になりそうである。
ブーレーズは、この作品を持って、オペラは終わったと述べているが、実際に、オペラの座を映画に明け渡した時代にあたる。
この作品のヴェリズモ・オペラの姿勢は、第2次世界大戦後のイタリア・ポーランド映画におけるネオレアリズモにも影響を与えているように思う。

今回聴いたCDは奇しくも、クラウディオ・アッバード指揮ヴィーン・フィル演奏。
この素晴らしい演奏と録音に感謝と敬意を表して。