インテグラル思想 AQAL

心理療法の目的は、この場合、「それ」の感情や気分を、私の感情や気分にすることである。こうして、再び影を所有するのである。苦痛に満ちた影の再所有(3人称を1人称にかえること)が心理療法の目的なのである。

インテグラル・スピリチュアリティ ケン・ウィルバー著 松永太郎訳(春秋社) 第6章 影と切り離された自己 P180】

としています。
なお、ここでの、影とは、意識のひかりがあたっていないという意味です。

このインテグラル・アプローチという視点は、集合の組織体としての整合性を尊重するものであります。
そこでは、個は、あくまでも、集合の構成要素としてとらえられます。
この領域の価値基準は、ある存在(個人・組織)が、それをとりまく外的な生存状況にいかに適合するかに注目する「機能的な適合」(functional fit)というものであります。
そして、これらの4つの視野はそれぞれ、鍛え育まれる中で進化していきます。
それは、ピラミッドの様に段階を踏みます(行きつ戻りつをしながら)。
上記の視野は、独自の価値基準にもとづいて事象を把握・検証します。
つまり、それらは、独自の方法で事象を証明します。
また、独自の方法で事象を隠蔽するのであります。
重要なことは、それぞれの視野の自律性を尊重したうえで、それらを相互の有機的な関係性のなかに位置づけることであります。
世界のあらゆる事象は、少なくともこれら4つの視野から認識することのできるものであります。
インテグラル・アプローチは、これらの視野が内在する光と陰を認識したうえで、それらを包括的に活用することの重要性を認識します。

そして、この4つの視野のなかのそれぞれの視野からは他の視野は見えません。
つまり、1つの視野からは、他の視野を見ることはできないのであります。
仏法の空・仮・中の三諦論と繋がる点として一つの視点からはすべてを見渡すことはできません。
複数の視点から捉えることで全体を俯瞰することができるということであります。
世界の叡智は文字通り仏法に通ずると感じました。
最後は御書・三代会長のスピーチと照らし合わせ、祈り考え、複数の視野を持って捉えて行く以外にないと私は考えます。


インテグラル・スピリチュアリティ


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