Palestrina

ルネサンス時代に活躍したローマの作曲家です。
作風は、歌詞が明確に聞き取れる厳格かつ和声的なポリフォニー音楽であり、それは旋律が流麗で和声が充実していようとも、どこか静的な印象を感じさせる音楽になっていることが多いのです。
通模倣様式を基礎に置きながら、三和音を基礎とした機能的な和声進行の上で常に流麗で 滑らかな旋律が鳴り響き、歌詞の抑揚や言葉の意味を明確にしていくと均整の取れたサウンドです。この意味でパレストリーナの音楽は縦と横のバランスが 非常によく取れたものになっております。
順次進行の多い柔らかな旋律線、安定した協和音、バスの声部がポリフォニーの一声部を担いながら、同時にほとんどの個所で和声の根音となっていること、不協和音が注意深く控えめに用いられている、といったことが、パレストリーナ独特の調和のとれた、清純で透明な世界を形成しております。各声部の旋律と和声との完全な融和が図られております。
ポリフォニーとホモフォニー、対位法と和声法といった互いにぶつかりあう要素を調停することによって「古典的対位法様式」の極致を示すものとなっております。
またこの様式は、「パレストリーナ様式」とも呼ばれ、同じように作曲すれば、同じような響きになるそうです。作風の説明は、こういったところです。

私が、この作曲家を知ったキッカケは、シベリウス交響曲第6番との出会いに始まります。溌溂とした清らかな、時折柔らかい優美な響きがとても好きだったのですが、教会旋法や対位法などで、パレストリーナを一としたルネサンス音楽の影響があったことを知りました。であるならば、その時代の音楽は、そうした響きであるに違いないと考えてCDを手に入れ聴きました。予想を裏切らぬ、美しい響きでした。α波が、沢山出て安らかに眠れることうけおいです。個人的にはバッハのカノンよりも響きは好きです。フーガの技法の中では、響きはフーガよりカノンの方が心地よく思います。パレストリーナの声楽曲と似た響きの曲を書いている作曲家は、私の知っている範囲では、モーツァルトシベリウスしか思いつきません。楽器で言えばアルモニカ(グラス・ハーモニカとも)の響きに似ているでしょうか。J.S.バッハのオルガンを聴いてみたものの、最近聴いていた、デュプレのオルガンの奏法・音色の変化と交響曲的な響きの方が個人的には好きですね。

Palestrina - Heu mihi Domine



The Tallis Scholars sings Palestrina



それでは、お休みなさい。
よい眠りを。



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