モーツァルトの晩年の曲の中でも近年極めて評価が急上昇している曲。私は、前回聴いた時(ピリオド奏法をモダン・オーケストラに取り入れている急先鋒ジンマン指揮)は、何が良いのかまったくわからなかった。これは傑作だ。
モーツァルトクラリネット五重奏曲 イ長調 K581の第一楽章は、トセリのセレナーデやパッヘルベルのカノンにも似たメロディーが登場する清々しい曲です。
Mozart quintet k 581, I mov. - Sergio Bosi clarinet
Mozart Clarinet Quintet K 581, 2°mov.
Mozart Clarinet Quintet, movt. 3, Menuetto
Mozart ,Clarinet Quintet K 581_4° mov.
ここからは、モーツァルトクラリネット協奏曲イ長調K.622。
番号を見れば、気づく人もいると思いますが、まさにアヴェ・ヴェルム・コルプス、魔笛、レクイエムを書いている頃に書かれた曲で、2006年英国クラシックFMのモーツァルトの人気曲第1位になったことからもわかるように、モーツァルトの全作品中最高傑作との評価もある曲です。
そこには、天国的な清瞭とした美があります。
Mozart: Clarinet Concerto: I. Allegro (Audio Only)
Mozart: Clarinet Concerto: II. Adagio (Audio Only)
Mozart: Clarinet Concerto: III. Rondo (Audio Only)
なお、今夜あげた曲は、普通のクラリネットではなく、バセット・クラリネットと呼ばれる少し特殊なクラリネットを元々用いて演奏された楽曲。私は、クラリネット協奏曲は、アーノンクール指揮のバセット・クラリネットが使用されている演奏で聴きました。クラリネットは、こんなに音色が変化するのかと驚きを覚えました。クラリネットは、楽曲の響き合いに大切な役割を果たしているパートだと、聴く度に思いますが、改めて痛感。高音になるほど細く明るく、低音になるほど太く暗い、今のクラリネットはより、明るくより音量が出せるように改良されたようで、バセット・クラリネットは今のクラリネットと比べて暗くくすんだ印象を与えます。モーツァルトがこの音色を好んだ理由が理解できました。