鬼武者 Original Sound Track〜交響組曲「日昇 RiGiNG SUN」無事届く

遂に来た。オークションが確定して1週間。遠い雪国からつい先ほど届いた。さっとブックレットを読んだ。RiSiNG SUNを指揮された方は、佐村河内守氏自身とお互いにファンだという現代音楽作曲家兼指揮者であり、バイオハザード・シンフォニーでも指揮をした方だと言う。識者のコメントでは、既に五木 寛之や音楽評論家である許光俊らの名前がある。識者の解説は、しっかりと読めていないのだけれど、邦音楽と西洋音楽のそれまで最も著名な出会いである武満徹「ノヴェンバー・ステップス」では、音色の移ろいを大切にする純日本音楽。調和を大切にする西洋音楽武満徹は、その違いをとけあうことなくぶつけあった。「日昇 RiGiNG SUN」では、特徴を生かしながらも融け合い調和していることに驚嘆しているコメントが多かった。これは、私の初見の感想と一致した。吉松隆のように時々マーラー風と言うレヴューもAmazonでは見た。許光俊は、この頃からショスタコーヴィチとの関連を言及している。許氏は、後の交響曲第1番"HiROSHiMA"でもショスタコーヴィチとの関連を言及している。交響曲第1番"HiROSHiMA"の方が鬼武者よりその関連性はわかりやすいと思う。おそらく秋桜を聴いていない識者のコメントには、氏のカオスティックな音楽で、はじめて調和を見たというコメントも見られた。『秋桜 コスモス』を聴くと、徹底した主題労作をしながらも、ロマンティックで美しい曲を元々書きたかったことが伝わってくる。主題歌、およびそのインストゥルメンタルだけで。この作品を聴くと、J.S.バッハルネサンス期のポリフォニーにどれだけ影響を受けたかも伝わってくる。コラール風なので、十字架音階を使っているかもしれない。というのも交響曲第1番第1楽章から聴けるあのコラールと同じ下降音型や和音進行が聴こえてくるからだ。

ここから、本題に戻る。やはり緊迫感あふれる場面では十二音階を使っていた。邦楽器ではやはり微分音も登場している。解説に譜例もあるので間違いない。純器楽では世界最大規模のアンサンブル。アナリーゼによれば1st Movementはソナタ形式における(序奏を含む)提示部、2nd Movementはソナタ形式における展開部、3rd Movementはソナタ形式における再現部(とコーダ)と捉えることができるかもしれないとのこと。なお、それぞれコーダはあるので、単独で見ても1つの楽曲として聴けるように組まれているのは言うまでもない。 クラシック音楽としてのクオリティは100%追及したとのコメントに間違いはないと思う。
世界最高の知性と称された理由は、例を見ない編成での完璧なオーケストレーションアヴァンギャルドと古典の共存と統合。完璧な形式美。この点に尽きることを、改めて確信した。チェレスタの使い方を聴いていると、コルンゴルトやシュレーカーにも非常に近接しているように思える。交響曲第1番"HiROSHiMA"のAmazonレヴューで、初期シェーンベルクとの共通項を書いた方がいる。ようやくこういう見方が出たかと言う思いであったりする。

聴き込むのは、1-2日後になると思う。ここまで既に耳になじみ、また多くのレビューを見て、じっくり聴き始めて思ったことと意見が一致もしているし、世界最高の知性と言われる理由も見えてきて、ブックレットを見てその理由に疑いはほぼ消えたと言っていい。遅くとも一週間以内には、レビューが書けると思う。