鬼武者 Original Sound Track〜交響組曲「日昇 RiGiNG SUN」聴き始める。

取り込み完了。氏らしい、良い意味で聴きやすい無調音楽もあるので、バイオハザード・シンフォニーを買ったのは一部の言葉を辿ること以外、無駄に終わったかもしれない。規模、曲想など、それまでの氏の音楽の集大成であることは間違いないと思う。その結果が、ギネス認定最大規模、世界最高の知性という栄冠をもたらした。栄光かと言えば、この後自殺未遂を2度試みるほどの絶望との新たな戦いが幕を開けたので、この作品は、氏の映像音楽の終着地点であり、純音楽を書いて行かざるを得なくなった出発点にもなったと思う。


良い意味で聴きやすい無調音楽がまさにこれ。元々氏の特徴であった、強烈な不協和音、ビートの典型例として挙げられていた。ドデカフォニーを当たり前のように使っている。主旋律は、ライジング・サン 第1楽章で登場した旋律。

ヴァーグナーが作曲した序曲は、劇中のフレーズがほとんど出てくるのだけれど、この初代 鬼武者では、OPで使われたライジング・サン 第1楽章で主要フレーズはすべて登場する。耳に馴染んできたからブックレットの解説に納得いくのだけれど、変奏技法を極めているのは、間違いないと思う。
私は、ほんの一部しか知らないのだけれど、それでもここまで言い切ろうと思う。

頭鳴症の轟音の中、ライジング・サン 第3楽章の未完成だった楽譜を、正指揮者が訪問してから、8時間思案したのち15分で一気に書き上げている。体調を考えると、時間は非常に少ない中、書き始めてからのペースは、他では見たことがない。


ライジング・サンと並んでボルテージアップの曲と化してしまった。この曲、生で聴いてみたい。

楽譜、譜例だけ見れたのだけれど、調性は一応書かれていても、楽譜が進むと随時♯、♭が書かれていく。初期シェーンベルクやレーガーともう変わらないくらいの転調当たり前。
また、楽譜の指示は、非常に細かいことも確認できた。それで、楽譜に移す際の打ち込み精度は、調べてみるとのFF10および10-2のBGMを打ち込んだコンポ―サーでも、良き翻訳家となれたかどうかは、正直何とも言えなくなってきた。あれだけオーケストラパートを自然に表現できたとはいえ。鬼武者の劇中BGMで一番音色で違和感が起きたのは、トランペット。金属系打楽器。フルート辺り。それ以外のパートは、FF 10および10-2と比べても差はないように感じる。

ライジング・サンは、XRCDでリリースされた。高音質と言うことで、リファレンス、スタジオ用と共に、音質チェックで使われ、カーオーディオ・ショップでは、ライジング・サンを聴いてチューニングされた例すらあるという。録音場所は、東京国際フォーラムAホール。残響時間は、パルテノン多摩並と同じくらいの1.6秒。この辺りのホールでしか編成上演奏ができなかったようだ。形だけ見ると、ワインヤードのホールよりも単純な音響は落ちそうなのだけど。実際に聴いてみると音質は上々だと思う。通常のCDに収められた打ち込みパートも。

完結篇は、交響組曲『RiSiNG SUN』徹底視聴、感想及びそこから見える世界