Mozartから


いまだに、楽典には、手を付けていないこともあるのだけど、こういうMiDi Animationで、見ると、各パートの動きが良く見える。
ジョージ・セル指揮クリ―ヴランド管弦楽団の演奏でこの曲の真価を知った私から見て改めて思うことは、
C-D-F-Eのジュピター主題(クレド主題とも)の後、即順次進行のカノンが始まっていること。
途中途中をみれば、ユニゾンも結構あるし、ホモフォニ―。なのであるが、基本は、縦の響きを基調に、ひたすら冒頭主題と、その対旋律が終わりまで追っかけに終始していることが確認できる。
短調に転調している時の徹底した半音階。この時だけ、第40番ト短調やドン・ジョバンニのパトスが垣間見える。この絶妙な転調が、ダイナミズムを生む。
10分19秒から約10秒奏でられるもの哀しいフレーズに至っては、半音が、ほとんど使い尽くされて、びっくりするくらい20世紀的。
最後は大団円は言うまでもない、教科書だ。メロディはシンプル。中を見ると複雑。パルテノン神殿の様相。


右手と左手で、橋渡していたり、掛け合いになっているところ、突然かつ自然な短調への転調に、この時期の作品らしさを感じる。
ともに、C-durの傑作。