レ・ミゼラブルから


心は愛に溢れて、日本語ではいいのがなかった。バックのフルートが見事。同じミュージカルだからか、歌の世界が、Over the Rainbowに近接する。音楽は、ロマン派そのもの。
レ・ミゼラブルの舞台となった時代、又ヴィクトル・ユゴーの生きた時代そのものなので、実にしっくりくる。

映画の予告では、劇中歌のおいしいところだけ繋いで、惹きつけられた。
Castle on a Cloud(雲のお上の城)の冒頭,A Heart Full of Love(心は愛に溢れて),On My Own,Do You Hear the People Sing? (The People's Song,民衆の歌)、そして何よりもI Dreamed a Dream(夢やぶれて)が目立つ。


名前だけは、亡くなった報道の時に知っていた本田美奈子さんが歌う,On My Own.顔立ち通りのキュートな声。華奢な体格を考えると、その歌唱力に圧倒される。バックがオーケストラだったら、なおよかっただろう。きっと木管が彩りを添えるアレンジであろうから。この歌を聴くに当たり、平野綾さん、坂本真綾さんも聴いたのだけれど、ネイティヴに勝るとも劣らない名演だと思う。死後、岩崎宏美さん、そして昨年林原めぐみさんがカバーした「つばさ」に至っては30秒のロングトーンということで、初めて聴いた。

人間、腹から声を出し切って、腹筋・背筋鍛え抜くとここまでいくのかと言う印象。途中で拍手が出るのもわかる。坂本真綾さんの「指輪」のウルトラCで10秒近く伸ばすのにも、圧倒されたが、ここまでくると言葉を失う。岩崎宏美さんのカヴァーでは15-20秒しかいかなかった。

ミス・サイゴン』や『レ・ミゼラブル』の作曲者、クロード=ミシェル・シェーンベルクは『ミス・サイゴン』の2008年日本公演に際し、「日本で役を育ててくれた本田美奈子を思い出してもらいたい。彼女は素晴らしい女性であり、キム役の仕事ぶりに感銘を受けた」と述べた。

wiki:出典元:読売新聞 2008年7月25日】

この言葉が、最も的を射ていると思う。心を込めて...、をいつか必ず買おうと思う。


ネイティヴも良いけれど、声質もあって個人的には、これがベスト。プラハ・フィルと共演したCDを買おうと思う。

ストーリーがかなり変わっているアニメを経由して原作も読んで感動したけれど、純粋に、歌だけ聴いていてもとてもいい作品だなと言う印象。
美空ひばりさんは、もちろん知っていたけれど、知らなければいけない歌姫を見逃していたことに気付かされた。
ここに行きついたキッカケが、この歌になるとは、思いもしなかった。

何度聞いても、アレンジが良い。ここから、ここまで来るとは。