弦楽四重奏曲第1番を聴く

佐村河内守 弦楽作品集の中で最も現代音楽らしい作品である。
映画「桜、ふたたびの加奈子」では、とびっきりホラーな場面で流れた。
具体的には、娘の転生を信じて狂気に満ちた行動をする時の加奈子、愛娘が事故死する瞬間、亡くなった時のショック、そういった場面で通奏低音の如く使用された。
この曲には、愛が持つ狂気が表現されているように思える。
シャコンヌの特殊奏法を用いたセクションの世界に近接する。
ショスタコービィチ、ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第14番短調セクション、大フーガ、バルトーク、ベルク、シェーンベルク弦楽四重奏曲第1-2番に近接する。
それゆえに、悲しみと優しさを感じる旋律が表れる瞬間が、より一層印象的だ。