池田名誉会長の人物紀行「歴史の巨人」と語る 人間主義の王者 ゲーテ

本日、3.16「広宣流布の日」おめでとうございます。
私は、今夜宿命転換を賭けて勝負する日でもあります。勝つぞ!!

仏法と一致する
ゲーテは来世を信じ、一瞬の中に永遠を感得するなど、仏教に近い生命観、時空間を持っていたと言われるのだ
 たしかにゲーテは「私には永遠の生命がある」*1と明確に綴り残している。
 さらに、オステン博士は、こうも鋭く考察された。
 「ゲーテは、感謝(報恩)を、私たちがこの世において最も高い価値であると見なしていました。これは、仏教思想に密接に結びついていると考えられるのです」
 永遠の生命、そして報恩感謝の人生―西洋の最高峰の巨人が見定めていた道は、なんと清々しく仏法と一致していることか。


求道と鍛錬の道
 「有能な大家はすぐれた弟子を呼びさまし、弟子たちの活動は、さらに枝葉を無限に伸ばしゆく」*2とは、ゲーテの師弟観であった。
 「弟子の道」に徹し抜く青春は、黄金の魂を鍛える。


男は独り立つ!
 その多次元の業績を讃えて、ゲーテは「あらゆる人間のなかのもっとも人間らしい人間」*3と評されている。
 それは、死闘の中で勝ち取られた。ゲーテ自身が、「人間」とは「闘い人」の異名なりと達観していた。


ルネサンスの人
 ゲーテ的な生き方―。それは、時代の変革期に、あらゆる可能性を自力で試し、何事も自分の力で無から創造していくルネサンス人の生き方である。
 
 ゲーテ人間主義は、1人を大切にする行動に表れた。目の前にいる人間の心の善性を信じて、縁を結ぶ友に深き人間愛を注いだ。
 ゲーテは、友を励ました。
 「勇気を無くしてはいけない。私もしじゅう奮い立って精を出したものですよ(前出『ゲーテ対話録1』)
 師弟、正義、そして闘争―この生命の正道を、艱難に耐えて歩み通した人生のみが融合できる、宇宙の奥深き法則の次元がある。


元気に飛び出せ
 ゲーテは青年を愛し、人材を育てた。人類が世代を超え、「正義と真実」を継承することを祈り続けた。
 「若者は戦いによって力を鍛え、自分の真価を知り、やがて自信も湧いてくる」*4ゲーテは謳い上げた。
 出会いをつくろう!
 対話の地図を広げよう!
 人間とつながり、人間とぶつかり、人間と語り合いながら、刻々と自分自身を再生させたゲーテの如く!
 正義と友情の生命のルネサンスを勝ち取るために!


  君シラー
   我はゲーテ
      創価かな


【2009.3.15.聖教新聞3面】

 偉人の思想と、仏法の共通性について改めて考えさせられました。
 ゲーテは、第2のダヴィンチとよばれるほど、万学で偉大な足跡を残されました。「色彩論」が20世紀の科学に影響を与えたりなど、あげればキリがありません。


 報恩感謝に生き抜く。青年を愛し、人材を育てること。徹底した激励行。勇気を持って闘い抜け。



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*1:前田敬作・今村孝訳「ヴィルヘルム・マイスターの修行時代」、潮出版社『ゲーテ全集7』所収

*2:芦津丈夫訳「芸術論」、潮出版社『ゲーテ全集13』所収

*3:ビルショフスキ著、高橋義孝・佐藤正樹訳『ゲーテ―その生涯と作品』岩波書店

*4:小栗浩訳「トルクヴァート・タッソー」、潮出版社『ゲーテ全集5』