ゲーテの格言 42
君の胸から出たものでなければ
人の胸を胸に引きつけることは決してできない。
自分の心の底から出た言葉で語らなければ、相手に正しく伝え引きつけることはできません。
これは、ファウストが、劇の前半で、助手のヴァーグネルが朗読の術を身につけたいとファウストに話しかけてきたときのファウストの返答が、この言葉です。
この言葉は引用された訳は違いますが、『世界の文学を語る』(池田大作著、潮出版社)でゲーテについて対談されたP310に出ています。ファウストは、ゲーテの腹の裏の歴史を綴った作品といわれますが、この言葉には、ゲーテの本音の対話の中にしか、心と心の交流はできないのだ、というメッセ−ジを感じました。
見ていること・感じていること・考えていることが人と大きく異なり、また自分の言葉に換えて伝えることができていない私にとっては痛烈な言葉でもあります。
そうした傾向をなくしていくための文章を書く練習も、このブロウの目的の1つでもあります。日々、自分の言葉でつたえることができるよう、精進したい。