ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」

皆様御存知、日本の年末コンサートでおなじみの歓喜の歌で、交響曲の最高傑作としてあげらている曲です。

私自身、いくつか思い入れがあります。
私が通っていた中学校では、私の長兄がその中学校に入学した頃から私が卒業するまでの10年間、音楽祭の全校合唱で必ず歌っていたからです。
不確定ながら、長兄が歌っていた頃は、私の母校しかなく、私が卒業する頃、他に2校歌っている学校があったそうです。
ひょっとしたら、日本で1番最初に歌った中学校かも知れませんね。
一言申し上げますと、この曲とてもではないけれど、中学生が歌う歌ではありません。
ブラスバンドが悲鳴あげます。
事実、独唱・合唱の各パートが歌う音律は、普通声楽曲で歌うメロディーではありません。
テノール、特にアルトは、かなり絶妙なキーで歌うから、テノール(これはソプラノもそう)の場合、腹から声を出さないと、1番高い音が出ないことと、音の高低・強弱がかなり激しいので追いついていくだけでかなり大変であるからです。
アルトは録音されたCDを聴いて思うこととして、中途半端なキーで中々聴こえにくいです。アルトが聴こえている録音は私が知る範囲では1つしかありませんでした。

私が第9を好きになったキッカケは、1999年秋にオンエアーされていたTOYOTAの「クラウン」のCMからでした。
今見ても、あのCMは傑作だったと思います。
優雅に、そして勇壮に王者の如く駆け抜けるクラウン、同調するかのように流れる第9の第2楽章冒頭のメロディーに圧倒された私は、その時に第9が大好きになりました。
私が、中学校時代クラシック好きになるキッカケを作った曲です。
その後、リヒャルト・ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスブルックナーに夢中になり、高校ではアニメ「プリンセス・チュチュ」からチャイコフスキーに、後にショパンに夢中になり、大学に入り、ウインナ・ワルツ、スッペ、モーツァルトにも夢中になりましたが、1番好きなクラシックの曲は未だに第9です。

池田先生がいつか作曲してみたい曲の中に、歓喜の歌があります。
学会員の方であれば、1時期創価大学で行われていた第9の演奏会、吸収で行われた10万人の第9を思い浮かべる方も多いと思います。

私が、聴いていて思うことは、これこそ民衆の凱歌なり!!です。そして、第1楽章と第2楽章のスケルツォの形式美は素晴らしいです。重厚長大な計算され尽くした、インテリジェンスの極みともいえる構成。そして、第3楽章の瞑想的な楽園を思い起こすメロディーとハーモニーがとても好きでした。第2楽章と歓喜の歌の躍動感も好きですね。音楽談義〜「タンパク質の音楽」その2〜 - 音楽&オーディオの小部屋には、ガン細胞を殺すNK−TRタンパク質にはベートーヴェンの「第九交響曲」の合唱部分「歓喜の歌」の出だし部分とそっくりのメロディが隠されている。との記述がありますね。


今までに聴いたCDは、
合唱練習用として、2-3のクラスで集まった時に用いたCD
「第九」カラオケ&合唱パート別レッスン


何とピアノの演奏です。もともと、19世紀最高のピアニストであり、ロマン派の作曲家でもあったフランツ・リストの編曲を自ら補筆編曲しなおして、第9の合唱に至るまでほぼ全ての音を演奏しきった名演です。
これだけの難曲を弾ききったために、重ねて曲を録音した疑惑をかけられたといいます。そして、ライブ演奏で見事に弾ききったという逸話を持つ個人的世界1の鬼才ピアニスト、シプリアン・カツァリスの演奏です。
録音状態もとてもよく、ドイツのオーディオ誌「AUDIO」で受賞もされています。このピアニストは現在絶盤のCDでリヒャルト・ワーグナーのオペラ「ワルキューレ」のワルキューレの騎行まで、自ら編曲し、演奏しきっています。ここまで行くと怪物です。
ベートーヴェン (リスト編曲) : 交響曲第9番 「合唱」


第9のCDをかなり買った人がよくお薦めしているCDがこれです。マスター・テープの状態からか、ほぼ完全に曲が途切れているところもありますが、アルトが最も美しく聴こえるCDです。アルトのパートがキチンと聴こえるCDは、私が知る範囲ではこれだけです。
このCDで指揮をされている方は、バイロイト音楽祭の第9のライブで有名な指揮者ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの亡き後、後継者と注目されながら早逝された早熟の指揮者フリンツフリッチャイの演奏です。
現在私の1番お気に入りの第9のCDです。
ベートーヴェン:交響曲第9番


そして、日本で1番人気が高いヴィルヘルム・フルトヴェングラーバイロイト音楽祭のライブ録音のCDです。
歓喜の歌のフィニッシュは必見です。
ベートーヴェン:交響曲第9番


他に、知らない指揮者の演奏が2枚、カラヤンの演奏が1枚、NHKのライブのラジオ中継を聴きました。


民衆の凱歌を御覧あれ!!
9-3 SEIJI OZAWA Beethoven Symphony No.9 Fourth movement (part 3)

PS:第9の第3楽章を聴いて、生まれて初めて、ハーモニーの美しさ、大切さを知りました。個人的にはオーケストラの楽器で言えば、ホルン、フルート、クラリネットオーボエ、イングリッシュ・ホルン、合唱ならアルトです。
もちろん、コントラバス、声楽であればバスと、ベースのパートとパーカッションがしっかりしていなければ、いい演奏にはなりませんが。

極論を言えば、すべてがすべて大事なんですけどね。


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