Brian Sinfonie Nr.1 "Die gotischen"

ハヴァーガル・ブライアンの交響曲第1番
ブライアン 交響曲 第1番 「ゴシック」
交響曲第1番 (ブライアン) - Wikipedia


最低演奏人数800名、演奏時間約114分。史上最大・最長の作品。
もっとも、テレビのドキュメンタリー番組のための音楽の編曲で13時間の作品、未演奏の交響曲で演奏時間5時間20分、未完成の作品で合唱付きで最低演奏人数4500人とより大きい作品もありますが、現在演奏されている作品では、最大最長でギネスブックにも登録されています。マーラーの第8よりも統合した時代の幅は広いです。マーラーは、ルネサンスから20世紀初頭に対し、交響曲「ゴシック」は、中世から当時のアバンギャルドの暴力性を、あくまでも、無調になることなく、マーラー風に統合したテイスト。全体的に、とても精緻。映画音楽のようなフレーズも奏でられております。ただ、そのメロディがいいところが、全体の一瞬。トランペットの咆吼で、ストラヴィンスキー春の祭典のようなパッセージが聴こえてくる。ファリャ、ラヴェルの様な音色・響きはない。しかし、オーケストラの鳴らし方の精緻さは、ラヴェルに勝るとも劣りません。


前半はファウストの情景をオーケストラで表現。オーケストラに描写が素晴らしい。第2楽章は、ただ、暗いだけで聴いておりません。


後半は、テ・デウムという聖歌。ここでも、オーケストラによる描写がここでも素晴らしい。マーラー交響曲第8番の第1部と第2部のフィナーレの様な、荘厳且つ壮大なパッセージはないものの、コーラスがとても透明感があって美しいです。あまりにも長い、終楽章は40分。後半は、各楽章事に、ハイライトだけを抜き出して聴いております。メロディが息切れしがちであり、この強靱な曲想と威嚇するパッセージと哀愁を帯びたメロディをもてあましていること。更に、形式美が皆無であり、メロディは口ずさみやすいところがあり、ハーモニーが美しいにも関わらず、何が言いたいのかわからない。結果として、すべて通して聴く気を無くします。長すぎてすべてをあまり聴く気になれない点は、マーラー交響曲第8番第2部にも同じことが言えます。


ウィーン・フィルとウィーンの合唱団(少年合唱団含む)とソリスト、ノン・ヴィブラードで演奏したら、柔らかい音色と相まってよりよさげ。ナクソスの録音は、決して良いものではないから、今録音して、マスタリングをキチンと施せば、音質がより良くなって、全パート聴き取れるはずというのもあります。指揮者は、ブーレーズの様な分析家か、サイモン・ラトルの様に名人芸からピリオド・スタイルまで一通り出来る人でブルックナーの頃の様式の奏法で演奏・録音が出ればベスト。まず、あり得ないことですが、実現したら個人的には嬉しい。


マーラーブルックナーシベリウスが指向した、宇宙を感じさせるような調べはありませんが、これはこれで、とてもいい。情景描写とファンファーレは絶品。
マーラー交響曲第8番が手放せないのは、宇宙を感じさせるような調べがないことと、マーラーの場合、長すぎてもまだ良いメロディがこの作品には書けているからです。


ブライアン:交響曲第1番「ゴシック」




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