マーラー 交響曲第10番を改めて聴く

未だに休日から仕事日に切り替わる前後で、睡眠サイクルの調整に悩んでいる私がいる。
それは、さておき。
今朝、ダニエル・ハーディング指揮ヴィーンフィル演奏マーラー交響曲第10番を聴いた。
この作品を聴いていた理由は、以下。
1.シェーンベルク 室内交響曲第1番とどちらが革新的か。
2.ブルックナー交響曲第9番とどちらが先進的か。
1に対する結論は、全体の形式は、シェーンベルクの方が、より斬新かもしれない。その上で、第3楽章を中心としたシンメトリックな楽章構成は、異なるアプローチからバルトークも後年挑んだ形と言うのは、実に示唆的だ。
シェーンベルク 室内交響曲第1番は、単一楽章で、全4楽章の要素を包含しているため、より一層前例がない形かもしれない。4度和声を核にするのも、当時としては極めて革新的だ。結果的に全音音階が使われていることも。
その上で言えば、第1楽章で7和音、第5楽章で11和音を、トーン・クラスター風に響かせるのは、シェーンベルクも述べたとおり、和声の革新であろう。
当時、すでに自由な無調による表現主義に突入しているので、シェーンベルクがいうのも違和感がないわけではないが、彼には思いつかなかったアイディアと言う結論を出してもいいように思う。

2.ブルックナーと比較して、形式美ではブルックナーの方が上と考えている。響きに関しては、クラスター風にブルックナーが鳴らしているわけではないので、マーラーの方がその点は先進的。そして、アダージョの曲想に関しては、ブルックナー交響曲第9番 第3楽章からの影響が大きい。