Franz Schreker: Die Gezeichneten prelude


Franz Schreker: Die Gezeichneten - Act I prelude
ナチスに退廃音楽のレッテルを張られ、新ウィーン楽派のような進展をしなかったが故に、時代から消された音楽の中で、ここまでインパクトに残った作品はなかった。ツェムリンスキーやコルンゴルドよりも、徹底してフランス的な色彩が混ざっていることもよい。シェーンベルク弦楽四重奏曲第2番第1-3楽章の響きは、ヴェーベルン無伴奏合唱曲《軽やかなる小舟にて逃れよ》よりも透明感、色彩感に劣ると思っている。形式的にも、ヴェーベルンはシンプルなカノンで完璧と言っていい筆致でもある。ツェムリンスキーの弦楽四重奏曲第4番も響きはその後追いに感じてしまう。コルンゴルドも、死の都、ヴァイオリン協奏曲、交響曲と聴いたけど、メロディがベトベトに甘すぎる曲はどうも好きになれない。

この頃のドイツ音楽でfavoriteなのは、グレの歌、室内交響曲第1番限定でシェーンベルクヴェーベルン、レーガー、そしてフランツ・シュレーカー
フランス音楽だと、実は心底好きになれるのは、フォーレ弦楽四重奏曲だけなのかもしれない。