描いてみたい世界

それは、「レーガーの形式美」と「シェーンベルク以降前衛音楽に連なる系統が開拓した音響」と「保守的な音楽の生み出す霊感」の融合にある。そこには、ジャンルの壁はなく、シュレーカー、ツェムリンスキー、コルンゴルトの系統、末期ロマン派とも、音楽におけるユーゲント・シュティール(青春主義)ともよばれるもののいわば進化系。縦と横が完璧に築き上げられ、縦と横のズレは、圧倒的な対斜を生み出す。構成と装飾は一致し、構成は装飾であり、装飾が構成と化す。不要ななものは一切省かれ、きわめて自然で、力強い。優美な優しさも伴っている。表情豊かで、色彩的かつ透明であり耽美。叙情的。

そんな世界を描いて行きたいのかな、と思えてきた。