ニューグローヴ音楽大辞典から見るユーゲント・シュティールの音楽

ここでは、コルンゴルト・シュレーカー・ツェムリンスキーの特質について。
残念ながら、ヘリアーネの奇跡と狂える焔の編成は、わからずじまいに終わった。

ツェムリンスキー:不変と個の掛橋。技巧は常に完璧の域。また、弦楽四重奏曲 第3番 作品19以降は、新古典主義の影響を受け堅苦しい印象を与える。
コルンゴルト:確固とした様式、豊饒で後期ロマン派的な和声、天性のメロディの美しさ、音楽に関する深い感覚性。
シュレーカー:狂える焔の頃.基本的に多調。非機能的かつ色彩的。厳しい対位法の活用。非常に刺激的な和声法。広範なトゥッティから 最も繊細な室内楽的効果までの管弦楽のニュアンスすべてのマスター(個人的には、R.シュトラウス,ドビュッシー,チャイコフスキー,ラヴェル,室内交響曲第1番までのシェーンベルク)
晩年。不協和な線的対位法と既成の形式への傾倒
ベルクは、遥かなる響きのボーカル・スコアに関与、ヴォツェックの交響的様式に影響を与えている。遥かなる響きの第3幕、間奏曲(夜の音楽)

ここからは、wikipediaからの要約

ツェムリンスキー:未完に終わった最後の歌劇《カンダウレス王》(アントニー・ボーモントにより補筆)は、表現主義的な傾向も見受けられる。その一方、近代フランス音楽の影響により、1910年代から旋法性、1920年代から多調性・複旋法性を導入しており、晩年に向かうに連れて、調性感の稀薄な傾向が顕著となっている。

ブーレーズは、新ウィーン楽派だと、ヴェーベルンを最も支持していたが、その形式美と豊かなテクスチェアから後にベルクをヴェーベルンより高く評価した。そしてこのユーゲント・シュティールの音楽は最もテクスチェアが豊かな音楽に感じる。


あれから、佐村河内守交響曲第1番 "HiROSHiMA"のフィナーレを聞く。対位法の対斜があることを実感した。カタストロフィの響きは、ある種のクラスターのように思えてくる。

映画音楽・新音楽・シェーンベルクコルンゴルト関連で書きたいことがあるが、それはまた次回。