Bizet Symphonie en ut majeur


ダリユス・ミヨーと比べても、フランスらしい。南フランスの草原風景を思わせるところは、ミヨーに似ている。そしてパリジャンにして、フランス最大のオペラ作曲家に相応しい、口ずさめる美しいメロディ。ベルリオーズ譲りの素晴らしいオーケストレーション。軽快で、颯爽としていて、機知にとんだ様は、ビゼーならでは。フィナーレは、無窮動且つカルメンにも通じる。軽やか、機知のベクトルは、モーツァルトとも少し違う。モーツァルトのリスペクトぶりはあるし、主題労作は、ベートーヴェンからの痕跡が伝わってくる。オーケストレーションは、ドビュッシーラヴェルメシアン。ディティーュによって先に行ったけれども、この新古典主義的な形式美と、ビゼーらしいメロディーと機知は、フランス音楽の交響曲でも随一に思う。この作風は、サン=サーンス、フランク、デュカス、ルーセルらに繋がってゆく。