Das Wohltemperierte Clavier .Teil Play Gustav Leonhardt
J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集がこれだけ良い曲とは思いませんでした。
ようやく、(西洋の)鍵盤音楽の旧約聖書と呼ばれてきた理由がわかってきた気がします。
バッハで、こんなに明朗な曲があるとは、思いませんでした。
今まで聴いてきた曲の中で、明るい曲が「G線上のアリア」辺りまであった影響が大きそうですね。
Bach - WTC II - Prelude No. 5 in D (BWV 874)
古典派のソナタ形式の先駆を行くような楽曲。今までこういうバッハの曲を聴いてこなかったために新鮮でした。バッハの曲については、深遠なフーガによる、哲学的な重厚長大な曲のイメージしかほとんど無かったのでした。
実際に、今まで取り上げてきたバッハの曲はマタイ受難曲、音楽の捧げもの、フーガの技法と、まさにその集大成のような曲ばかりでしたから。朝起きた時に聴いたら、身体がしゃきっとするような優雅でありながら元気になれる1曲。
Well-Tempered Clavier Book 2 No.7 Prelude
5番のプレリュードと同じく古典派のソナタ形式の先駆を行くような楽曲。プレリュードのリュートを思わせる優美なメロディーがとても良いです。私の場合は、甘すぎる演奏は、はまり感動できませんでした。
Well-Tempered Clavier Book 2 No.9 Fugue
パレストリーナ様式に近いこの曲集の中で、最も古風なフーガ
Bach Prelude No.12 in f minor WTC II BWV 881
2部形式ながら、ソナタ形式に近い構成。
J.S. Bach Präludium G-Dur BWV 884
Well-Tempered Clavier Book 2 No.18 Prelude
通奏低音の動きとビートとコード展開は、東方の楽曲を連想する人がいるかもです。
ショパンのような前奏曲。
短縮された再現をもつ2部分のソナタ形式。
Bach - Well-tempered Clavier/Eunice Norton (42/48)
この曲の前半のプレリュードは、この曲集の中でも、最もソナタ形式の特徴が表れている、とても美しい曲。
対位法そのものは、フーガの技法より、パレストリーナ様式の方が追い求める理想に近いため、実は、あまり好きではないバッハの楽曲。まだ聴き込みが足りませんが、私の中のバッハのイメージ像を良い意味で、壊してくれた良い作品です。レオンハルトで買いたくなってしまいました。