Domenico Cimarosa PART2

ニューグローヴ音楽大事典、平凡社音楽事典当で調べると、機知にあふれた生き生きとした楽想はモーツァルトに勝る反面、底の深さ、構築力は、モーツァルトに劣る。ピアノ・ソナタでは、ナポリ楽派の人間らしく、スカルラッティのスタイルを踏襲した作品が多い。
1791年、42歳の時に、レオポルト2世の招きで、アントニオ・サリエリの後任としてウィーンの宮廷楽長となっていることから、その名声は、ヨーロッパ全土に広まっており、その人気は、ヨーロッパ1といっていいかもしれない。楽譜も、ヨーロッパ全土に流布した。フランスの文豪スタンダールも大ファンであった。音楽性が理解できなかったからであろうが、当時のロシア皇帝エカチェリーナ2世は、逸材を逃したと言って良い。このロシアにいた頃に、3曲のレクイエムを残している。チマローザの作品の中で最も陰影に富んだ、モーツァルトのレクイエムに次いで、高く評価されるべきこの時代のレクイエムである。個人的には、ヴェルディよりも好みである。選んでいる歌詞も、モーツァルトとは少し異なる。M.ハイドンは、モーツァルトが吸収昇華してしまったため、良い作品ながら、格下は否めない。

ドン・ジョバンニのような作品も手掛けた。オペラ・セリアでも傑作を残し、とりわけオペラ・ブッファの世界においては、ロッシーニが登場するまでは第一人者であり、ロッシーニも影響を受けたという。器楽曲は、作風が、モーツァルトと完全に被るため、個人的には、最高傑作である「秘密の結婚」序曲とレクイエムをチマローザのベストとしたい。
秘密の結婚 序曲

バレンボイム盤が、手に入れやすそうだ。

レクイエム

フィリップスの名盤とされているネヴィル演奏もUPされているようであるが、曲順を合わせられなかった。
ネヴィル演奏が日本盤だと幾分高めであるが、海外盤だと安価に入手できることを確認した。

マイアベーアは、当時のフランス・オペラのあり方に多大な影響を与え、アンチの作曲家であっても、その先進的なオーケストレーションは、後世に影響を残した。オペラの構成は、シュレーカー、コルンゴルト、ツェムリンスキーといった世代にまで影響を与えている。調べれば調べるほど、興味は持てなかった。それは、マイヤベーアメンデルスゾーンの師であり、ゲーテの音楽指南役と言える、カール・フリードリッヒ・ツェルターも同じ。