鬼武者 Rising Sunの特異性etc...

初めに、音・楽with somethingを手掛けているhesher氏に深く感謝申し上げます。


著名な巨大編成作品から列挙すると

サイトでは、春の祭典を例にしてあるが、より色彩的な作品を取りたいと私は考えたので、少々変わった曲と比べようと思う。

オリヴィエ・メシアン 彼方の閃光
木管楽器 - ピッコロ3、フルート6、アルトフルート、オーボエ3、コーラングレ、E♭管クラリネット2、クラリネット(B♭管)6、バスクラリネットコントラバスクラリネットファゴット3、コントラファゴット
金管楽器 - トランペット5(D管2、C管3)、ホルン6、トロンボーン3、バスチューバ2、コントラバスチューバ、
鍵盤打楽器 - アンティークシンバル、グロッケンシュピールシロフォン、シロリンバ、マリンバ
打楽器(奏者10)
1.チューブラーベル
2.チューブラーベル
3.チューブラーベル
4.トライアングル3
5.ウィンドマシーン、大太鼓、トライアングル
6.ウッドブロック、テンプル・ブロック6、ギロ、トライアングル
7.ゴング(小)3、鞭
8.吊りシンバル(大・中・小)
9.ゴング(大)3、大太鼓
10.タムタム(大・中・小)
弦五部 - 第1ヴァイオリン16、第2ヴァイオリン16、ヴィオラ14、チェロ12、コントラバス(5弦)10

ハヴァ―ガル・ブライアン 交響曲第1番「ゴシック」
オーケストラ
木管楽器 - ピッコロ2(フルート持ち替え1)、フルート6(アルトフルート持ち替え1)、オーボエ6(オーボエ・ダモーレ持ち替え1、バス・オーボエ持ち替え1)、イングリッシュ・ホルン2、E♭管クラリネット2(B♭管持ち替え1)、B♭管クラリネット4、バセットホルン2、バス・クラリネット2、コントラバスクラリネットファゴット3、コントラファゴット2、
金管楽器 - ホルン8、E♭管コルネット2、F管トランペット4、バス・トランペット、テナー・トロンボーン3、バス・トロンボーンコントラバストロンボーンユーフォニアム2、テューバ2
打弦楽器 - グロッケンシュピールシロフォン
打楽器 - ティンパニ(3台のセット)2、バス・ドラム2、サイド・ドラム3、ロング・ドラム、タンバリン2、シンバル6、銅鑼、サンダー・マシーン、チューブラーベル、チャイム、鎖、トライアングル2、バードスケール、ハープ2、
鍵盤楽器 - チェレスタ、オルガン
弦楽五部 - 第1ヴァイオリン20、第2ヴァイオリン20、ヴィオラ16、チェロ14、コントラバス12の形)

オフ・ステージのバンダ(別働隊)
ホルン2、トランペット2、テナー・トロンボーン2、ティンパニ(3台セット)の編成によるものが4組。


鬼武者 交響組曲「Rising Sun」
木管楽器 - フルート4(ピッコロ持ち替え1),オーボエ4(イングリッシュ・ホルン持ち替え1),ファゴット4(コントラファゴット持ち替え1),クラリネット1,クラリネットEs管3,バスクラリネット1,サキソフォーン(ソプラノ、アルト、テナー、バリトン)各1
金管楽器 - ホルン(テノールホルン含む)18,トランペット(コルネット、フリューゲルホルン含む)8,トロンボーン(バス・トロンボーン含む)8,テューバ2
ハープ 2
チェレスタ 1
打楽器群 ティンパニ2,その他の打楽器6
弦楽器群 - V1 20,V2 20,Va 16,Vc 14,KB 12
和楽器

また和楽器は、
尺八(ソロ含む)、篠笛(ソロ含む)、琵琶、箏、笙、篳篥、細棹(三味線)、太棹(義太夫三味線)、能管、締太鼓、大鼓、小鼓
これらすべての和楽器が合奏する作品は、類を見ないとのこと

鬼武者は、サウンドトラックを手に入れていないために、全容は不明ながら概要は理解できた。
巨大編成作品の中でも、木管楽器は4管フル編成、そして金管が8管編成と、金管の比重が非常に高い編成であること。
クラシックではほとんど使われていないサックスがあることも特徴の一つ。有名な作品だと、ラヴェルボレロ」、アルバン・ベルク「ルル」以外は、思いつかない。
個人的には、打楽器の情報が欲しいところである。
Youtubeで聴いても、その編成がもたらす意志の強さ、勇気の調べ、闘いの調べは、聴けばすぐに納得すると思う。

氏は、「まずスケール感を大切にした。総勢205名というクラシック音楽でも例を見ないほどの人数を駆使した作品となったことでスケール感が出たと思う。2つ目は歴史観の追求で、和楽器をたくさん使用した。だが、和楽器は規制が厳しくこの規制との戦いには大変苦労させられた。3つめは音楽的な統一感で、ゲームを通してイメージを統一したかった」「今回の音楽は、流行の癒やしの音楽とは対極の戦いの曲だが、癒やすためには戦いが必要で、戦いには勇気が必要。誰もが日常生活で戦っていることがあると思うが、その時の勇気の支えとなって欲しい」と述べている。発表の記者会見では実際にライジング・サンが演奏されシンクロ率100%の映像と相まって涙を流して感動していた。その陰で氏は、激しい耳鳴りと吐き気に襲われトイレに向かった。「死んでしまった作曲家」という思い、それは演奏を聴いて曲を修正することができない作曲家。彼は、これで作曲家人生をリタイアすることを決意していた。
ところがいざそうなってみると、彼にはどこにも職がないことを思い知らされた。絶対音感に頼ってなら作曲することはできる。つまり、今こそ音楽しか自分の道はないことに気づく。

この辺りは、いつも言語を絶する。

ただその壮絶なバックボーンを理解した上で、無関係に聴いてほしいと思うのだ。
ベートーヴェンも、スメタナも、フォーレも、耳が聴こえないという同情票を嫌っていたしそれ抜きで評価されることを望んでいたからだ。氏の隠遁生活も同じ理由であることを、ファンは忘れてはならないと思う。
この作品は、現代最高の知性と言われるきっかけになった作品でもあり、CD音質で一度じっくりと聴いてみたい。
最高の劇音楽と言うと、モーツァルトドン・ジョバンニ」、シェーンベルクヴァーグナー以降の最高の劇作曲家ツェムリンスキー「カンダウレス王」、器楽形式をシンメトリックに構成し、それありきで作られたアルバン・ベルクヴォツェック」「ルル」が思い浮かぶ。色彩であれば、シュレーカーのオペラ、オリヴィエ・メシアンアッシジの聖フランチェスコ」、コルンゴルトの映画音楽が上がると思う。
オペラの楽曲形式で、調べた範囲で最も完璧と言えそうなのが、アルバン・ベルク。そういった面々と比較して、聴いてみたい。